開催スケジュール

開催終了しました

2024年8月26日(月)~27日(火)

多様な生命の相互作用:進化から疾患まで

高遠分子細胞生物学シンポジウムについて

高遠分子細胞生物学シンポジウム
(以下、高遠シンポジウム)は、
例年夏に1泊2日の日程で開催される、
老若男女の研究者たちによる合宿さながらのシンポジウムです。
最先端サイエンスの異文化交流を特徴に、
分野も年代も超えた議論は、日々の研究活動への新たな視点のきっかけとなり、
ときにイノベーションを生んできました。
ピュアサイエンスに共感するひとときをお過ごしください。

満開の桜の木々と背後に広がる雪山の風景。青空の下で、美しい春の自然を感じさせる景色。

本シンポジウムの世話人から、
未来を担う若手研究者の皆様への
メッセージを紹介いたします。

こだま たつひこ

東京大学 名誉教授

児玉 龍彦

「単純なメカニズムから複雑さが作られる」
生命を維持するには、恒常性を保つためのネガティブ・フィードバック制御のような原理的にはわかりやすいメカニズムでも、重なり合うと複雑なパターンが生まれる。表面的なパターンから内側のメカニズムをさぐるのが生命科学であり、一見ノイズに見えるところからシグナルをみつけだす工夫が大事である。
そこで大事なのはレトロスペクティブ(回顧的)に結果をみるよりもプロスペクティブに予測をもって実験や計測を行う事であろう。
どのようなモデルのメカニズムを想定しているか、常に意識することが大事になるだろう新しい人による、新しいパターンのメカニズムの発見に期待しています。

かどわき たかし

国家公務員共済組合連合会 虎の門病院

門脇 孝

たかはし よしこ

京都大学大学院 理学研究科 生物科学専攻 動物発生学

高橋 淑子

最近学会などで気になるのは、「お行儀がいい」研究発表がふえていることです。
もっと、自分がおもしろいと思うことを全面に出しても良いと思います。その結果たとえ酷評されても、それはそれで次への活力となるはずです。次世代を切り開くものは、心が打ち震えるようなサイエンス、これしかありません。

ごとう ゆきこ

東京大学 薬学部 分子生物学教室

一回しかない短い人生だから、本当に自分が大事だと思う事に目一杯力を注ぎたいものですよね。研究も、研究以外も。私の場合、自分はまだ修行中だと思ってぼんやりしていたら、あっという間に時間が経ってしまいました。自分が心底わくわく出来て重要だと思えることに集中して、皆さんともシェアできたら幸せです。
高遠では人生楽しんでいる素敵な研究者の方々に(老若男女)たくさん出会えて、いつも良い時間を過ごさせていただいて感謝してます!

みずしま のぼる

東京大学大学院 医学系研究科 分子細胞生物学専攻 生化学・分子生物学講座 分子生物学分野

水島 昇

研究の楽しさは発見そのものにありますが、その発見をお互いに見せ合ったり話し合ったりするところにもあります。特に、まだ誰も知らないことや考えてもいないことについて議論するのは至福のひとときです。
専門家同士の深い議論と、専門を超えた突飛な議論のどちらも楽しいものです。夜遅くまで仕事のことを熱く語りあえる職業なんてなかなか無いのではないかと思うほどです。高遠にはユニークな講演者が集まりますので、面白い生物学についてじっくりと考える良いチャンスになると思います。

くらなが えりな

東北大学大学院生命科学研究科 生態発生適応科学専攻 組織形成分野

倉永 英里奈

高遠シンポジウムは、時代のトップランナーである研究者の講演を身近で聴き、夜はリラックスした雰囲気の中で四方山話をしながら、その方々の人柄や歴史を知ることができる数少ない場所です。
2009年からは新しい趣向が加わって、聴くだけでは飽き足らない私のような者にもトークの機会が与えられ、熱い議論を交わすポスターセッションも設けられるようになりました。つまり、偉い人も若い人も、一緒にサイエンスを楽しめる場所に変革を遂げています。若手研究者・学生の皆様、いろんなチャンスが溢れている高遠シンポジウムに参加してみませんか?
そして、アルプスの山々に囲まれた自然豊かな高遠で、生物の不思議に触れて、一緒にサイエンスを楽しみましょう!

くまのごう あつし

大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学

熊ノ郷 淳

医学・サイエンスには「縦糸の医学と横糸の医学」が大切です。
研究者同士の関係も、同じ分野のヒトと繋がるだけでなく、分野を超えて繋がるところに発展や楽しさがあると思います。
「高遠カンファレンス」は、研究もヒトも「縦糸、横糸」で紡ぎ、大きく素敵な「布」にしてくれる「場」だと思います。

よしだ しょうせい

自然科学研究機構 基礎生物学研究所 生殖細胞研究部門

吉田 松生

研究はしんどいし、努力しても報われないことがほとんど。
これは昔も今も今後も変わらないでしょう。でも、己の持つすべてでもって自然(生き物)と対峙するのって、すごく楽しいことです。
そして、見つけた宝物の話をする、みんなの宝物の話を聞く、これは、至福です。差し引き、ちょっとのプラスを感じられたら、それで生きていける。
研究者って悪くない。

おかだ ゆきのり

大阪大学大学院医学系研究科 遺伝統計学

岡田 随象

研究分野の専門性が高くなると、その反面、他分野の動向にはどうしても疎くなってしまいがちです。でも、基礎研究のヒントって、思いがけないところに転がっていたりするもので、たまには他分野に足を伸ばしてみることも大事なのではと感じています。
高遠シンポジウムでは、各分野で活躍されている第一人者の先生方のお話を聞くことができます。人生で初めて学会に参加したときのような、見るもの、聞くもの、全てが新しくでドキドキする、そんなシンポジウムです。皆さんの参加をお待ちしております。

高遠シンポジウムは、1989年の夏に株式会社 医学生物学研究所(MBL)の初代所長が長野県にある高遠さくらホテルに研究者を招いて始まりました。 このシンポジウムは、研究者が泊まり込みでお互いの研究について深く話し合える場をつくることを目的とし、この趣旨に賛同いただいた9名の世話人の先生方が毎年演者を選び、MBLがその運営をサポートしています。
これまでに基礎研究から臨床医学まで幅広い分野から約300人の日本人研究者を演者としてお呼びしております。余談となりますが、過去演者の中にはノーベル賞受賞者3名も含まれています。
高遠シンポジウムの最大の特長は、「異分野の研究者同士が交流できること」です。また、演者や世話人、参加者の距離が近く、アットホームな雰囲気も魅力のひとつです。
2009年からは若手研究者が成果を発表するポスターセッションもスタートし、新しい研究をアピールする場となっています。2021年と2022年はコロナ禍の影響でオンライン開催となりましたが、2023年の第34回からは東京晴海の宿泊型研修施設で、現地参加とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で開催しています。 このように、長い歴史の中で形を変えながらも、「分野をこえた研究者がつながり、議論し合える場」という原点を大切に今日まで続けられています。

会議室で講義やプレゼンテーションを待つ参加者たちの風景。机にはノートパソコンが置かれ、会議の準備が整っている様子。

ポスターセッションで議論を交わす参加者たちの様子。複数の人々が展示されたポスターを囲みながら、意見交換をしている活発なシーン。

MBLはJSR Life Sciences, LLCのグループ会社です。JSR Life Sciences, LLCは、病気の治療や患者さんのQOLを高める製品を開発・製造する企業の戦略的パートナーとして、世界中の人々の健康増進に貢献していきます。JSR Life Sciencesは米国カリフォルニア州のサニーベールを拠点として、北米、欧州、アジアパシフィックに存在する製造工場、研究所および営業所を統括しています。