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第25回 高遠・分子細胞生物学シンポジウム
生物学の新天地
プログラム
樹木肥大のしくみー植物幹細胞維持のシグナル伝達
福田 裕穂
[東京大学 大学院理学系研究科 生物科学専攻]
皮膚構造の設計原理を探る:毛包幹細胞—ニッチ間クロストークの関与
藤原 裕展
[理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 細胞外環境研究チーム]
メゾスコピックな視点から眺める脳回路
池谷 裕二
[東京大学 大学院薬学系研究科]
外部からの情報は、脳の神経細胞によって加工・処理されることは、もはや誰も疑う人はいないだろう。未知の部分をブラックボックスとして扱い、その「入出力相関」を観察するという古典的アプローチは、こうした考えに立脚している。高次脳機能の場合、ブラックボックスは、個々の神経細胞であったり、神経回路であったり、もしくは大脳皮質そのものであったりする。この戦略は、もちろん「ブラックボックスは入力に対して特異的に反応する」ことを暗黙の前提としている。しかし、大脳皮質を対象にした場合には、この前提が崩れる。なぜなら、大脳皮質の神経細胞は外からの入力がなくても恒常的に独自の発火活動をしているからである。ときには入力が与えられなくても内発的に出力することさえある。こうしたブラックボックスの内部活動は「自発活動(spontaneous activity)」と呼ばれ、脳のパフォーマンスを特徴づける現象である。当日の講演では、脳の自発活動に着目しながら、最近の研究の動向と私自身の考えを紹介しながら、脳機能の実体と動作原理について考えてみたい。
生殖細胞系列の体外培養における再構築
林 克彦
[京都大学 医学研究科 機能微細形態]
哺乳類生殖細胞のエピゲノム制御と小分子RNA
佐々木 裕之
[九州大学生体防御医学研究所 ]
ATP合成酵素の1分子生物物理学とその応用
野地 博行
[東京大学 工学研究科 応用化学専攻]
立体培養による複雑組織の自己組織化
笹井 芳樹
[理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター ]
均質な細胞間に「非対称性」を持たせるしくみの再構成
戎家 美紀
[理化学研究所 発生・再生科学総合研究センター 再構成生物学研究ユニット/JSTさきがけ]
私達は最近、側方抑制機構のエッセンスを持つ遺伝子回路を、培養細胞上に再構成することに成功した。この側方抑制遺伝子回路では、隣接する細胞同士が、Deltaの転写を抑制し合う(側方抑制)ことによって、偶然の小さな差がフィードバックで増幅され、隣接細胞間に安定な遺伝子発現量差が生じる。実際に、再構成した側方抑制遺伝子回路を持つ細胞集団(遺伝的に均質である)は、Delta高発現集団とDelta低発現集団に自発的に分かれた。つまり、均質な細胞間に非対称性が生成された。
発がんの本質的なゲノム異常
間野 博行
[東京大学大学院医学系研究科 細胞情報学分野]
開催風景
講演風景(演者は野地先生)
活発な質疑応答(演者は藤原先生)
ポスターセッション 1
ポスターセッション 2
ポスターセッション 3
シンポジウム後のBBQ

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